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TAVIA

BtoB MARKETING / ORGANIZATION

マーケティング責任者がいない会社で起こる7つの問題と、経営者が取るべき対策

人を採るべきか、外部に任せるべきか。 その前に確認したいのは、 戦略・意思決定・実行管理のどこに 責任者機能が不足しているかです。

カテゴリ:BtoBマーケティング・組織づくり / 執筆:TAVIA

「営業は社長が担当」 「ホームページやSNSは外注している」 「施策を増やしても新規商談が安定しない」。 このような状態なら、 実行する人の数だけでなく、 施策の優先順位を決める役割が 不足している可能性があります。

ただし、マーケティング責任者がいないこと 自体が問題とは限りません。 少人数の事業では経営者が兼任していても、 対象顧客・評価基準・担当者が明確であれば 機能します。

本当に確認すべきなのは、誰が目標を決め、誰が施策を選び、 誰が数字を見て止める判断をするのかです。

この記事で分かること:責任者不在が生む7つの問題、 責任分担の考え方、 兼任・採用・外部活用の判断、 最初の30日で整理すること。

ROLE DEFINITION

マーケティング責任者とは、 施策を作る人ではなく「判断をつなぐ役割」

マーケティング責任者は、 SNS投稿や広告設定をすべて自分で行う人とは 限りません。 BtoBサービス企業では、 誰に何を提供するかを決め、 営業と集客施策を結び、 限られた予算をどこに使うか判断する機能が 重要です。

経営者、マーケティング責任者、 実務担当の役割分担
役割主な担当決める・残すこと
経営者事業目標・対象顧客・予算・最終的な投資判断優先順位と判断基準
マーケティング責任者機能戦略設計・施策選定・営業連携・外注管理・効果検証90日計画、KPI、継続・停止判断
実務担当・制作パートナー記事・Web・広告・SNS・動画などの制作や運用制作物、実行ログ、施策結果

社内に担当者がいる場合でも、 その人が予算や優先順位を決める権限を 持たないなら「実務担当者はいるが 責任者機能がない」状態です。 反対に、専任者がいなくても 経営者と実務担当の判断基準がそろっていれば、 必要な仕事を進められます。

SEVEN ISSUES

マーケティング責任者がいない会社で 起こりやすい7つの問題

誰を獲得するかが曖昧なまま営業してしまう

起こること:紹介経由で売れる顧客と、Webから集めたい顧客が一致しない。営業資料・ホームページ・SNSで伝える強みもばらばらになる。

背景:営業が得ている顧客情報を整理し、優先する顧客像や選ばれる理由を決定する役割が不明確になっているためです。

最初の改善策

受注しやすい顧客の共通点を、業種・規模・課題・決裁者・予算から整理し、最優先の顧客像を一つ決めます。

役割分担:経営者が優先顧客を承認。営業担当が商談情報を提供。

SNS・広告・SEOなどの施策が増える一方になる

起こること:「今は動画が伸びる」「広告をやるべき」といった提案のたびに施策が追加され、何を止めるか決められない。

背景:成果に対する仮説、予算の上限、判断期限が決まっておらず、施策の数自体が進捗として扱われるためです。

最初の改善策

目標・想定顧客・費用・検証期間・継続条件を施策ごとに明文化し、優先度の低い取り組みを止めます。

役割分担:経営者が投資上限を決定。施策責任者が検証を管理。

問い合わせ・商談・受注の数字がつながらない

起こること:SNSの表示回数やサイトのアクセスは分かるが、どの施策から有効商談や受注が生まれたか把握できない。

背景:マーケティングと営業で指標の定義や記録方法が異なり、成果を振り返る共通の管理表がないためです。

最初の改善策

流入→問い合わせ→有効商談→提案→受注を一つの管理表につなぎ、週次で差分を確認します。

役割分担:マーケティング側が流入を記録。営業側が商談結果を記録。

具体的な新規顧客獲得の方法を 整理したい場合は、BtoB企業の新規顧客獲得に関する記事も参考にしてください。

最終判断がすべて社長に集中する

起こること:広告文・制作物・配信内容・外注先への指示まで経営者が決め、日常業務が止まりやすくなる。

背景:施策の決裁範囲と判断基準をチームに渡せず、経営者の経験や記憶に依存しているためです。

最初の改善策

「経営者が決めること」と「担当者が基準に沿って決めること」を分け、日常判断を委譲します。

役割分担:経営者は目的・予算・優先順位を決定。担当者は運用判断を担当。

外注先ごとに施策が部分最適になる

起こること:制作会社はサイトの納品、広告代理店は広告運用、SNS担当は投稿を重視し、事業全体の目標がそろわない。

背景:発注元として各施策の目的を統一し、成果物を横断的に評価する役割が決まっていないためです。

最初の改善策

すべての外注先に同じ顧客像・目標・評価指標を共有し、月次で全体の成果を振り返ります。

役割分担:施策間の調整責任者を1名決め、各外注先は担当範囲の実績を報告。

担当者を採用しても、何を任せるか決まらない

起こること:「マーケティング全般ができる人」を募集するが、戦略設計と実務作業のどちらが必要か説明できない。

背景:採用前に業務の棚卸しや意思決定権限の設計ができていないためです。

最初の改善策

必要な機能を「判断・設計・制作・運用・分析」に分解し、自社で不足する役割から採用要件を作ります。

役割分担:経営者が任せる権限を定義。担当者・外部支援者が必要スキルを整理。

人材そのものが不足している場合の対策は、マーケティング人材不足に関する記事で扱っています。

施策の学びが社内に残らない

起こること:担当者や外注先が変わるたび、過去に試した施策の結果、ターゲットの反応、広告やサイトの改善理由が分からなくなる。

背景:決定理由・検証結果・次に試すことが共有資料として管理されていないためです。

最初の改善策

施策台帳を作り、目的・変更内容・検証結果・判断・次回の担当者を残します。

役割分担:施策担当者が記録し、責任者が月次で継続・停止を決める。

SELF ASSESSMENT

担当者不足なのか、 責任者機能の不足なのかを見極める

次の項目で「誰が決めるか」を 答えられないものがあれば、 採用人数を増やす前に判断の役割を 整理する価値があります。

5つの確認項目

  • 今期、最も増やしたい顧客層が決まっている
  • マーケティング施策を始める・止める人が決まっている
  • 問い合わせから受注まで同じ定義で数値を記録している
  • 外注先に共通の目的・指標を伝えている
  • 実行担当が変わっても施策の経緯を引き継げる

実務の処理量が不足しているだけなら、 担当者や制作パートナーの追加が 先かもしれません。 一方、上記の決定事項が曖昧なら、 まず責任者機能を置くことが重要です。 責任者は必ずしも常勤の採用である 必要はありません。

THREE OPTIONS

兼任・社内採用・外部活用は、 何で選ぶべきか

「必ず外部に頼むべき」 「まず採用すべき」という正解はありません。 業務量、意思決定の難しさ、 社内に残したい知見によって 適した体制は変わります。

OPTION 1

経営者が暫定的に兼任する

向く状況:施策数が少なく、代表が週次で判断できる段階

注意点:判断が集中し続けると、営業や経営の時間を圧迫しやすい

OPTION 2

社内担当者を育成・採用する

向く状況:継続的な業務量があり、長期的に自社へ知見を蓄積したい段階

注意点:戦略責任と制作実務を一人に集めないように設計する

OPTION 3

外部の責任者機能を活用する

向く状況:採用まで時間がかかり、今すぐ施策の判断と整理が必要な段階

注意点:提言だけか、実行管理まで含むかを契約時に明確化する

採用と外部活用の比較は、「マーケティング責任者を採用するべきか、 外部に任せるべきか」の記事で詳しく整理しています。

TAVIAでは、現状診断や 外部マーケティング責任者としての 伴走を提供しています。支援内容と提供範囲は コンサルティングサービスページから確認できます。

FIRST 30 DAYS

マーケティング責任者機能を整える 最初の30日間

大きな組織改編から始める必要はありません。 まず既存の営業・集客を一枚の管理表でつなぎ、 判断を下す役割を決めることから始めます。

1週目

現状と数字を棚卸し

既存の受注経路、紹介比率、顧客単価、粗利、進行中の施策、外注費を一覧にします。数字が不足している部分は「未計測」として区別します。

2週目

対象顧客と優先課題を決める

実際の受注顧客から最優先の顧客像を絞り、解くべき課題を一つ選びます。「今月やらない施策」も決めます。

3週目

責任分担と施策の評価基準を設定

誰が承認し、誰が実行し、誰が数字を記録するかを決定。施策ごとに予算・期限・成功条件を定めます。

4週目

小さく実行し、週次で見直す

まず優先施策を実行し、問い合わせから商談までの変化を確認。改善・継続・停止の判断を記録します。

30日目に残したいもの

  • 最優先の顧客像と、その顧客が選ぶ理由
  • 今取り組む施策と、取り組まない施策
  • 責任者・担当者・外注先の役割分担
  • 問い合わせ・有効商談・受注の共通管理表

FAQ

よくある質問

マーケティング責任者がいないと、 必ず問題になりますか?

いいえ。経営者が兼任する少人数の事業でも、 顧客像・投資判断・担当範囲が明確なら 運用できます。 問題なのは、施策の判断者が不明確で、 同じ失敗を繰り返す状態です。

広告代理店や制作会社に 依頼していれば十分ですか?

外注先は契約範囲の実行を担います。 複数施策の優先順位や営業との連携まで 任せているかは契約によって異なるため、 全体を評価する責任者機能が どこにあるか確認してください。

専任者の採用と 外部マーケティング責任者の どちらがよいですか?

長期の業務量、社内で育てたい知見、 必要な判断の緊急度によって異なります。 短期の改善と並行して、 将来は社内担当へ引き継ぐ設計も 選択肢です。

SUMMARY

責任者を置く前に 「誰が何を決めるか」を明確にする

マーケティング責任者の不在が 引き起こす問題は、 施策の数や担当者の人数だけでは 解決しません。 ターゲット・優先順位・成果指標・ 意思決定の担当者を明確にすることが 出発点です。

自社の営業・紹介に新規獲得が 偏っているなら、 最初に取り組むべきことは 新しい広告ではなく、 誰を継続的に獲得するかを 定めることかもしれません。 まずは今の体制に不足している 役割を見極めてください。

代表営業への依存を整理する考え方は、社長営業から抜け出すための記事でも解説しています。