Marketing / Business Growth
マーケティング責任者がいない中小企業で起きる7つの問題
SNS担当者はいる。 Web制作会社もいる。 広告代理店にも相談している。 それでもマーケティング全体が前に進まない。 その原因は、施策を実行する人がいないことではなく、 「何を優先し、何をやめ、どの数字に責任を持つか」 を決める人がいないことかもしれません。
著者:堺 巧光/ TAVIA代表
Conclusion
問題は「マーケティング施策が足りないこと」ではなく、 全体に責任を持つ人がいないことかもしれません
中小企業でマーケティングがうまく機能しないとき、 Web、SNS、広告、動画などの施策不足が 原因とは限りません。 むしろ、施策は複数存在しているのに、 「誰に届けるか」 「何を優先するか」 「営業へどうつなげるか」 「何の数字で判断するか」 を統合する責任者がいないことがあります。
Marketing Officeを見るDefinition
マーケティング責任者とは「施策を実行する人」ではない
マーケティング責任者というと、 SNS投稿、広告運用、SEO、Web制作などを すべて自分で行う人を想像されることがあります。
しかし、責任者の重要な役割は 「すべてを自分で作業すること」ではありません。
必要なのは、 顧客獲得全体を見ながら、 誰に何を届けるのか、 どの施策を優先するのか、 どこに予算と時間を使うのか、 どの数字で改善判断をするのかを決めることです。
実行担当者が何人いても、 この責任者機能が空席であれば、 マーケティング全体の意思決定が 経営者へ戻り続ける可能性があります。
Problem 01
施策の優先順位が決まらない
マーケティング責任者がいない会社では、 新しい情報が入るたびに施策が増えやすくなります。
「SNSを始めた方がよい」 「SEOが重要らしい」 「広告を出した方が早い」 「動画も必要ではないか」 と、どの提案も間違いではないためです。
問題は、 その会社の現在地に対して どれを先にやるべきなのかを 判断する人がいないことです。
「できる施策」と 「今やるべき施策」は違います。
例えば、 商談数が十分あるのに契約率が低い会社で、 広告予算だけを増やしても 売上構造の問題は解決しない可能性があります。
責任者には、 「何をやるか」だけでなく 「今は何をやらないか」 を決める役割があります。
Problem 02
営業とマーケティングが分断する
マーケティングの目的は、 アクセスやフォロワーを増やすことだけではありません。
BtoB企業であれば、 最終的には 新規接点から商談、提案、契約まで つながる必要があります。
ところが責任者がいないと、 マーケティング側は 「問い合わせを増やした」 と考え、 営業側は 「質のよい商談が来ない」 と考えることがあります。
本来見るべきなのは、 この流れ全体です。
マーケティング責任者は、 集客部門だけを見るのではなく、 営業と共通の数字を持ち、 どこで顧客が止まっているのかを確認する必要があります。
Problem 03
KPIに責任を持つ人がいない
SNS担当者はフォロワー数、 広告会社はクリック数、 Web制作会社はアクセス数を見る。
それぞれの数字を確認することは必要です。
ただし、 誰も最終的な商談数や契約数まで追っていなければ、 各施策が事業成果へどの程度寄与しているのか 判断できません。
- 新規接点数
- 見込み顧客との接点を作れているか
- 商談数
- 接点が営業機会へ進んでいるか
- 提案数
- 対象顧客とサービスが合っているか
- 契約数
- 提案が成果へつながっているか
マーケティング責任者には、 個別施策の数字を 事業の数字へつなぐ役割があります。
Problem 04
外注先ごとに部分最適が起きる
中小企業では、 Web、広告、SNS、動画などを 複数の専門会社へ依頼することがあります。
専門家を使うこと自体は問題ありません。 むしろ各領域の専門性を活用することは合理的です。
ただし、 全体を管理する人がいないと、 各外注先が 自分の担当領域を中心に提案する状態になります。
- 広告会社は広告改善を提案する
- SNS会社は投稿数や企画を提案する
- 制作会社はサイト改修を提案する
- 動画会社は動画活用を提案する
どの提案も専門領域の中では正しくても、 会社全体として最も優先度が高いとは限りません。
だからこそ、 外部パートナーを管理し、 事業全体から優先順位を決める側が必要になります。
Problem 05
ノウハウが会社に残らない
担当者や外注先へ施策だけを任せていると、 「なぜこの施策を選んだのか」 「何を検証したのか」 「なぜ結果が出なかったのか」 という判断の背景が蓄積されないことがあります。
すると担当者や外注先が変わるたびに、 またゼロから説明し直す状態になります。
残すべきなのは、 作業マニュアルだけではありません。
会社に残したい判断情報
- どの顧客を優先したか
- なぜそのチャネルを選んだか
- どのKPIを見ていたか
- 何を検証したか
- どの判断で継続・停止したか
責任者は、 マーケティング施策を動かすだけでなく、 会社が自分たちで判断できる材料を 残していく必要があります。
Problem 06
最終判断がすべて経営者へ戻る
責任者不在の組織で 最も起きやすいのが、 最終判断の経営者集中です。
広告予算を増やすか。 新しいSNSを始めるか。 サイトを改修するか。 外注先を変えるか。 記事を増やすか。
担当者はいても、 誰も決定権を持っていないため、 毎回代表者へ確認が戻ります。
これは社長営業への依存と似た構造です。
営業判断だけでなく、 マーケティング判断まで代表者に集中すると、 事業規模が大きくなるほど 経営者の判断待ちがボトルネックになりやすくなります。
Problem 07
施策を「やめる判断」ができない
新しい施策を始める判断は、 比較的しやすいものです。
一方で、 一度始めた施策を 「もう続けない」 と決めるのは難しくなります。
責任者がいないと、 判断基準がないまま SNS、広告、SEO、メール、動画などが積み上がり、 管理する施策だけが増えていきます。
マーケティング責任者に必要なのは、 「何を始めるか」を決める力だけではなく、 「何を続けないか」を決める力です。
例えば一定期間検証した結果、 対象顧客との接点が作れない、 商談へ進まない、 他の経路の方が効率がよいと判断できるなら、 その施策を止めることも改善です。
Checklist
自社にマーケティング責任者機能があるか確認する
専任の「マーケティング責任者」という役職が 必ず必要なわけではありません。 重要なのは、次の役割を誰かが担っていることです。
- Web、SNS、広告、営業などを誰が優先順位付けするか決まっていない
- 施策ごとの担当者はいるが、全体を見る人がいない
- 商談数や契約数までマーケティング側で確認していない
- 営業とマーケティングの定例や共通KPIがない
- 外注会社ごとに別々のレポートを受け取っている
- 新しい施策を始める判断はあるが、やめる基準がない
- 最終的な判断が毎回代表者へ戻っている
複数当てはまる場合、 新しい施策を追加する前に 「誰がマーケティング全体の判断に責任を持つか」 を整理する価値があります。
Hire or External
社内採用か、外部マーケティング責任者か
責任者機能が必要だと分かっても、 必ずすぐに正社員を採用すべきとは限りません。
会社の段階によって、 社内採用と外部責任者のどちらが適しているかは変わります。
INTERNAL HIRE
社内採用が向きやすい状態
- ・必要な役割が明確になっている
- ・継続的に十分な業務量がある
- ・採用・育成へ投資できる
- ・長期的に完全内製化したい
EXTERNAL OWNER
外部責任者が向きやすい状態
- ・何を採用すべきかまだ整理できていない
- ・採用前に戦略や仕組みを整えたい
- ・複数施策を横断して管理したい
- ・経営者の判断負担を早く減らしたい
外部責任者を使う場合でも、 永続的に外部へ依存する必要はありません。
判断基準、KPI、施策管理方法を社内へ残しながら、 将来的な採用や内製化へ移行する設計もできます。
TAVIAのMarketing Officeは、このマーケティング責任者機能を 外部から担う支援です。
FAQ
よくある質問
- マーケティング責任者とは何をする人ですか?
- マーケティング責任者は、広告やSNSなど特定の施策だけを実行する人ではありません。顧客獲得全体を見ながら、対象顧客、ポジショニング、営業との接続、施策の優先順位、KPI、予算、改善判断を管理する役割です。
- 中小企業でもマーケティング責任者は必要ですか?
- 必ず専任社員を置かなければならないわけではありません。ただし、複数の集客施策や営業活動を行う段階では、誰が優先順位と数字に責任を持つのかを明確にする必要があります。代表者が担う、社内担当者を置く、外部責任者を活用するなどの選択肢があります。
- マーケティング担当者と責任者の違いは何ですか?
- 担当者はSNS運用、広告管理、記事制作など特定業務を担当することができます。一方、責任者は複数施策を横断して、何を優先し、何をやめ、どの数字を追い、営業や事業全体とどう接続するかを判断します。
- マーケティング責任者は採用と外部委託のどちらがよいですか?
- 長期的に社内へマーケティング機能を蓄積し、十分な業務量と採用予算がある場合は採用が選択肢になります。一方、まだ必要な役割が明確でない、採用前に仕組みを作りたい、経営判断と実行管理を早く始めたい場合は外部責任者を活用する方法があります。
- TAVIAのMarketing Officeでは何を支援しますか?
- Marketing Officeは、マーケティング領域に特化した外部責任者として、現状整理、優先順位、戦略、KPI、施策管理、営業との接続、改善判断などを継続して支援します。事業・商品・組織などマーケティングを超える経営課題まで横断する場合はTAVIA フル伴走の支援範囲になります。
